
僕ら× 1st.
第27章 牛、歩く --Mkt,Ar
***
対面で彼女と椅子にかけ、ポツポツと語る。
「中学の卒業式に俺、ボタン渡したろ?覚えてる?」
「うん。覚えてるよ」
「花野ちゃんに、俺の要素を感じてもらえるだけでよかったんだ」
「要素?」
「俺ね、花野ちゃんにずっと気持ちを伝えたかった。結果、応えてもらえはしないってわかってたけど、俺は花野ちゃんを好きなんだよって知ってほしかったんだ」
本当に、それだけの関係で充分だと思っていた…。
「あの頃を思うと、今の俺はすっげ贅沢。なのに、あの頃より花野ちゃんを好きで、俺の傍にいてくれることが嬉しくてどうしようもなくさ…。花野ちゃんのすべてがほしくなる」
可愛くて可愛くて、抱きたくて。
俺が近づいたせいで、色んな目に合わせたのに。
「ごめんな、嫌な思いをいっぱいさせて。…花野ちゃん、好きだよ。…他の女の方が俺に相応しいなんて、思うなよ。そんなこと思わないでくれよ」
「侑生君…」
戸惑いを見せる彼女は、俺の両方の瞳を交互に覗く。
俺は彼女の瞳に訴える。
「花野ちゃん。俺が大学を卒業して職に就いたら、結婚してほしい。ずっと花野ちゃんといたいって思ってる」
「………」
口を小さくぽけっと開け放って俺を見つめる彼女は、ゆっくりと瞬きを繰り返した。
対面で彼女と椅子にかけ、ポツポツと語る。
「中学の卒業式に俺、ボタン渡したろ?覚えてる?」
「うん。覚えてるよ」
「花野ちゃんに、俺の要素を感じてもらえるだけでよかったんだ」
「要素?」
「俺ね、花野ちゃんにずっと気持ちを伝えたかった。結果、応えてもらえはしないってわかってたけど、俺は花野ちゃんを好きなんだよって知ってほしかったんだ」
本当に、それだけの関係で充分だと思っていた…。
「あの頃を思うと、今の俺はすっげ贅沢。なのに、あの頃より花野ちゃんを好きで、俺の傍にいてくれることが嬉しくてどうしようもなくさ…。花野ちゃんのすべてがほしくなる」
可愛くて可愛くて、抱きたくて。
俺が近づいたせいで、色んな目に合わせたのに。
「ごめんな、嫌な思いをいっぱいさせて。…花野ちゃん、好きだよ。…他の女の方が俺に相応しいなんて、思うなよ。そんなこと思わないでくれよ」
「侑生君…」
戸惑いを見せる彼女は、俺の両方の瞳を交互に覗く。
俺は彼女の瞳に訴える。
「花野ちゃん。俺が大学を卒業して職に就いたら、結婚してほしい。ずっと花野ちゃんといたいって思ってる」
「………」
口を小さくぽけっと開け放って俺を見つめる彼女は、ゆっくりと瞬きを繰り返した。
