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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

ノックして音楽室に入る。
室内には予想通りやはり3人。

だけど俺の目は花野にロックオンされて、居るはずの2人は気配しかわからなくて。

前にもこんなことあったな……。
変な現象。

「侑生君…」

不安げに俺を見上げる花野の頭を、優しく撫でる。
俺から離れたくないと思ってくれているのが嬉しいから。
拒まれた理由が伊織じゃないとわかったから。

「待たせたね、寂しかった?」

瞳を閉じてニコッと返事する花野。

次第に視界が広がっていく。

俺はマコちゃんともう1人を少し見た。
俺の花野にあんまり過激なこと教えるなよ……?

今日のは花野の気持ちがわかった分、ギリセーフだけど。

と、2人の彼氏っぽい男らがやって来た。
ここで待ち合わせしてたのか…。
あ、マコちゃんの彼氏だ……まだ続いてんだな。

「みんな、またね」

立ち上がった花野が手を振り、俺も手のひらを上げた。
1組ごとに腕を絡めて、4人は仲良く部屋を出ていった。

ふうん。
見た目爽やかカップルなのに、あいつらヤりまくってんだな。
羨ましいけど、俺たちは……ま、焦らないことだな。

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