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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

~吉坂侑生side~

本日は昼後の1限が休講。
なわけで、昼前に高校に向かう。

と、待ち合わせの音楽室の少し開いた上の窓から「何それー?」と笑う声が聞こえてきて、俺は立ち止まる。
窓に映る影から察するに、3人が座って喋っている様子。

「そんなの、アル先パイにとっては拷問じゃない!」

俺?何の話?
だけど、その後の会話で、流れが徐々に見えてきた。

「ちっがうわよ!胸と女のコのあそこよ。ブラとパンツよ」

これ、マコちゃんの声?
何か、俺…聞いてていいんだろうか?

少し遅れて聞き取りにくい花野の質問が2つ。
で、その答えの反応が、これだった。

「えー?やっぱり痛いんだ…。それに、とっても恥ずかしいし。もう一緒に過ごせたら充分ていうか……」

これって、アレの話だよな?
花野……、伊織と経験済みなんじゃねぇの?
久しぶりだからってこと?

1年半くらい2人はつきあってたよな?と考える間もなく、再度俺の名前が出てきて、盗み聞きに神経を費やす。

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