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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

~小津茉琴side~

本格的な秋が過ぎてもう冬12月。
期末試験終了日の平和な放課後音楽室。

花野と玲香と3人、お互いの彼氏を待つ間、ホット甘酒缶でぬくぬくと過ごす。

玲香っていうのは、三倉玲香。
高校に入ってから同じクラスになって仲良くなったんだけど、お洒落や占い大好きなハキハキした女のコで、私と同じく中学からつき合ってる彼氏がいる。

花野とは中3でクラスメイトだったらしく、私たちは意気投合した。

その玲香は彼氏に革の手袋をプレゼントするらしい。

「革って高いんじゃないの?」

いくら学校に内緒でバイトしてるからって、高校生の時給じゃ知れてるんじゃ…と思った私はソッコー尋ねた。

「ピンキリかな。でも、誕生日だから奮発しちゃった」

24日が誕生日の男…ロマンチックだけど、本人的にはどうなのかしら?

「革の手袋かぁ。いいかも」

横で聞いていた花野が呟く。
そりゃあんたの彼氏だったら、めっちゃ似合うでしょうね。

この間久しぶりに2人のデートシーンを見かけたけど、花野彼氏:私の憧れのアル先パイが以前以上に花野にベッタベタで……。

ことあるごとに花野にすり寄って、頭を撫でたり肩を抱いたり。
周りに他人がいなくなったと思えば、すかさずキスしたり。

と、玲香が花野に話を振りかける。

「花野ちゃんはまだ決めてないの?」

「うん。PCのパーツとかかなぁ?」

は?何それ?

「色気なさ過ぎ!」

と2人で突っ込んだ。

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