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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

「まだ帰んなよ」と、ドア際から手を引っぱると、彼女は床の上にぺたんと座った。
俺もその横に少し離れて座る。

でもこのままこの部屋に2人っきりでは、俺の理性が保てるか自信ねぇ。
手にはさっきの感触がまだ残っている。

一緒にいたいけど、手は出せねぇ…どうしよっかな。
俺の右手は無意識に胸の形をよみがえらせる。
暫くぼーっと見つめていた様に思う。
彼女に名前を呼ばれて、はっと気づいて拳に変え、膝の外側に隠した。

見られた、かな?

彼女は俺のほっぺにキスをして「やっぱし私、帰るね」と立ち上がる。

「まだ時間あるし、送りがてらスイーツでも行こ?……あ、花野ちゃんからチューされたの2度目だな。今度は唇に欲しいな」

すると、はにかんだ彼女は階段踊り場手前で俺を呼び止める。
背の低くなった俺の頚に腕を絡めて、彼女から。
そして、俺からは舌を滑り込ませて熱く抱き合った。

「花野ちゃん、大好きだよ」

彼女からキスされた俺は、また元気になりだして。
ああ、このままなだれ込めたらどんなにか……。

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