
僕ら× 1st.
第26章 ディスポ --Shu,R
ん?花野ちゃん?
いつの間にか真っ青な花野ちゃんが、震えながら和波さんにしがみつく。
驚いたアルがその横で彼女に手を伸ばしかけた。
「大丈夫だよ、花野。みんな治るから、大丈夫。大きく息を吐いて」
花野ちゃんの背中を撫でながら、和波さんが穏やかに声をかける。
「両親の事故を思い出しちゃったんだ。サイレンの音が苦手でね」
和波さんが、横で固まったアルに説明する。
「今日はちょっと多いけど、あの音は生命を繋ぐためのものだから、力を合わせて頑張っている音だから……ね。花野?」
「和波さん、いいですか?」
アルは、和波さんから彼女を受けるように両手を伸ばす。
やや戸惑った和波さんだけど、彼女の両腕を支えて前腕分引き離す。
「花野。吉坂君も心配してるよ?」
そう言われた彼女は顔をアルに向け、アルはぐいと強引気味に彼女を自分の胸に抱き寄せた。
「花野ちゃん。今度からそういう時は、俺に抱きつくんだよ?」
苦笑の和波さんが俺と居松に話しだす。
「避難ルート作ってくれてありがとうね」
「いえ、あれは居松の機転です」
俺がまだ思いつかないうちに居松は、俺を動かしたんだ。
それにさっきは自ら動いた。
彼女のすぐ後ろ、周囲に神経を張り巡らせて添う居松を思い出す。
「同時ですよ。ガラスが突き抜けないように、でも後続の爆発に巻き込まれないように道を作ってくれたのは柊兄ですから」
「うん。キミたちの迅速かつ的確な動きには惚れ惚れしたよ」
そう。
俺はともかく、居松のこの行動……。
こいつ、何者だ?
いつの間にか真っ青な花野ちゃんが、震えながら和波さんにしがみつく。
驚いたアルがその横で彼女に手を伸ばしかけた。
「大丈夫だよ、花野。みんな治るから、大丈夫。大きく息を吐いて」
花野ちゃんの背中を撫でながら、和波さんが穏やかに声をかける。
「両親の事故を思い出しちゃったんだ。サイレンの音が苦手でね」
和波さんが、横で固まったアルに説明する。
「今日はちょっと多いけど、あの音は生命を繋ぐためのものだから、力を合わせて頑張っている音だから……ね。花野?」
「和波さん、いいですか?」
アルは、和波さんから彼女を受けるように両手を伸ばす。
やや戸惑った和波さんだけど、彼女の両腕を支えて前腕分引き離す。
「花野。吉坂君も心配してるよ?」
そう言われた彼女は顔をアルに向け、アルはぐいと強引気味に彼女を自分の胸に抱き寄せた。
「花野ちゃん。今度からそういう時は、俺に抱きつくんだよ?」
苦笑の和波さんが俺と居松に話しだす。
「避難ルート作ってくれてありがとうね」
「いえ、あれは居松の機転です」
俺がまだ思いつかないうちに居松は、俺を動かしたんだ。
それにさっきは自ら動いた。
彼女のすぐ後ろ、周囲に神経を張り巡らせて添う居松を思い出す。
「同時ですよ。ガラスが突き抜けないように、でも後続の爆発に巻き込まれないように道を作ってくれたのは柊兄ですから」
「うん。キミたちの迅速かつ的確な動きには惚れ惚れしたよ」
そう。
俺はともかく、居松のこの行動……。
こいつ、何者だ?
