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僕ら× 1st.

第22章 遭難 --Shu,Ar

「この部屋です。では、またあとで担当者が挨拶に来ますね」

と言って、案内役はさっといなくなってしまった。
忙しいんだな。

「花野ちゃん入院するの?」

アルが今更ながら尋ねる。
そりゃお前、こんな部屋をあてがっておいて、"夜には帰りなさい"はないだろ?

部屋にはベッドが1つと簡易ベッドが1つ。
冷蔵庫やテレビにソファ等がこじんまりと置いてある。

「そう、もう夜だからね。熱も出そうだし。で、何ともなかったら明日帰る」

和波さんはベッドサイドに車イスをつけて、花野ちゃんを移動させる。
それを見た依田が、さっと車イスを引いた。
やっぱ、気が利くよな。

「横になる?」

「ううん、これで大丈夫」

もっちーに促されて、あとの2人がソファに腰かける。

「この2人は悪いとこなさそうだから、明日再受診。今、迎えのクルマ待ち。だけどお前らはどうやって来たんだ?」

彼女の前であまりウソをつきたくないアルは、俺に顔を向けて目を閉じる。

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