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僕ら× 1st.

第22章 遭難 --Shu,Ar

~本條柊side~

ロッジの玄関口に向かうところで、アルのスマホが鳴動した。
画面に表示されるのは知らない番号。
緊張した面持ちでアルは通話へとスライドし、俺も相手の声に意識を集める。

「はい」

「俺、宮石和波。吉坂君だね?花野は無事見つかったよ。他の4人も見つかった」

和波さん?
あ、さっき花野ちゃんの家にかけたから、繋げてくれたのか。
見つかったって?

「和波さん!ああ、本当に?花野ちゃん、無事っ…」

アルは俺と顔を見合わせて、口元をほころばせる。

「今から梺の病院に向かう。意識もしっかりしてるし、軽い凍傷と怪我くらいで大したことなさそうだけど、念のため診てもらう。

今日はもう遅いからこっちに泊まって、明日か明後日には帰れると思うから」

「あ、俺と柊も来てるんです。今、C組のロッジです」

「もしかして駆けつけてくれたの?この後、F大橋病院に来られる?」

「もちろん!」

「じゃあ、着いたらコールして。すぐには出られないかもしれないけど」

了解の返事をしてアルは通話を終了した。

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