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僕ら× 1st.

第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu

「花野ちゃん。どっかしんどいの?」

俺がにじりよると、やっぱり彼女は後退…。
そのまま壁にトンッとぶつかる。

「せ、先パイのスーツ姿…」

俺の右側の空を見つめて話しだす。

「言っても笑いません?」

俺をチラッと見て確認をとる。
笑う?

面接後の解放感で緩めすぎたかとネクタイを締めながら、全身を確認する。

「俺、どっかおかしい?」

「じゃなくて、すごくきゅんときます」

横の棚にあった楽譜を1冊、それで顔をおおうので、俺には本の端をぎゅっと持つ両手しか見えなくなる。

「ふ?」

今、"きゅん"つった?
それって、それって?

「あー苦しかった。もう馴れたかな?」

じーっと隠れながら覗き見る。

「あ、ダメかも」

隠れる。

「何でそんな小動物的なんだ?俺、どうしたらいいんだ?」

喜んでいいのかと思いきや、避けられている。
これは一体どういう状況なんだ?

顔を覗こうと身を寄せると、バッと彼女は飛び退いた。

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