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僕ら× 1st.

第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu

~宮石花野side~

苦手な体育祭が終わって一安心。
今日はフツーに授業、フツーに部活っ!

わりとルンルンで部室に向かって歩いてた。

「宮石さん、ちょっと…」

ふふ、私を呼び止めるのはだぁれかな?
あ、もしかして。
桃湖に言われてた…吉坂先パイの追っかけ様?

誤解を解かなきゃと思ってはいるんだけど、何をどう説明すればいいのかな?

でも、迷う暇もなく質問をいただく。

「あなた、速水伊織が好きなんじゃなかったの?」

「えっ、ご存知なんですか?」

知らない人にまで知れ渡っているなんて、ショック、、というか、ぐさっときて。
気分一新、落ち込みモード。

「それを言っちゃあ可哀想よ。速水は死んじゃったんだから」

ぐっ…まだ決まってないもんっ。

「ほら、もう泣きそうじゃない」

泣かないよ。
何なの?ひどいこと言わないでよ。

「伊織君はどこかで生きてます…」

いつか会えるんだからっ…。

伊織君を思い出す私を、嘲笑うような彼女たちの言葉に翻弄される。

「だったらアルに取り入らないでよ。元彼のお兄さんよ?信じらんない!」

「いい加減な気持ちでアルを振り回さないでほしいの」

取り入る?振り回す?
私のしてることは、そうなのかな…。

お礼だとしてもほっぺチューはいけなかったかもと、私も反省はしてるのよ。
伊織君もキスは別につきあってなくてもできるっぽかったから、そのお兄さんも大丈夫かと思っちゃって。
キスは僕だけにとか伊織君に注意されたけど、あれはもうキャンセル。
それに……。

「私、吉坂先パイといると楽しくて……やっぱりいけないですよね?」

それが振り回しているということなら、やめなきゃな。
それでみなさんが、お怒りなんだろうし。

「何で私らがこんなところであんたの相談受けなきゃなんないのよ?」

「あ、すみません。つい。あ、これからきっと吉坂先パイ来られるから、ご一緒に音楽室でどうですか?お茶もクッキーもあるんですよ?」

音楽室目前で立ち話だった。
私ったら気が利かないなぁ。

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