
僕ら× 1st.
第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn
ところで私、座ったはいいものの振り向いていいのかな?
絶対、顔近いよね。
先パイは兄妹と言ってくれてるけど、あんまり馴れ馴れしくしても迷惑だろうからな。
それに、あの時は伊織君がいたから妹になっただけで、今の私はただの後輩。
「まだかな?」と暗くなりつつある空を見る。
今日は真昼に半分ほどの月が出ていたから、晴れたら星がよく見えるだろうな。
今は夏の大三角形が見頃だね。
織姫ベガと彦星アルタイル…1年に1回でもいいから、会いたいよ、伊織君。
まだ見えない天の川の代わりに、川の流れを見つめる。
明かりでチラチラと光る川面は本当に真横から見た銀河のようで。
この世のすべてが繋がっているような不思議な感覚に陥る。
吉坂先パイも星とか好きかな?聞いてみようかなと思っていたら、ふっと首に強い風を感じて変な声が出た。
「あははっ、ぴきゃって何?」
振り向いた私に屈託なく笑う。
ったくもうっ、伊織君と同じようなことするんだから!
「もうっ、いたずらっ子ですね」
首を手でこすって、こそばゆさを拭う。
「花野ちゃんには、いたずらしたくなる。やめとこーって思ったけど、ついつい」
舌をペロッと出しておどける。
と、ドーンと打ち上げの地響きがひとつ。
「あ、先パイ。花火……」
「うぁ、でけぇな」
間近で見る花火は迫力で、天のカンバスに笹飾りを描き散らしたようだった。
絶対、顔近いよね。
先パイは兄妹と言ってくれてるけど、あんまり馴れ馴れしくしても迷惑だろうからな。
それに、あの時は伊織君がいたから妹になっただけで、今の私はただの後輩。
「まだかな?」と暗くなりつつある空を見る。
今日は真昼に半分ほどの月が出ていたから、晴れたら星がよく見えるだろうな。
今は夏の大三角形が見頃だね。
織姫ベガと彦星アルタイル…1年に1回でもいいから、会いたいよ、伊織君。
まだ見えない天の川の代わりに、川の流れを見つめる。
明かりでチラチラと光る川面は本当に真横から見た銀河のようで。
この世のすべてが繋がっているような不思議な感覚に陥る。
吉坂先パイも星とか好きかな?聞いてみようかなと思っていたら、ふっと首に強い風を感じて変な声が出た。
「あははっ、ぴきゃって何?」
振り向いた私に屈託なく笑う。
ったくもうっ、伊織君と同じようなことするんだから!
「もうっ、いたずらっ子ですね」
首を手でこすって、こそばゆさを拭う。
「花野ちゃんには、いたずらしたくなる。やめとこーって思ったけど、ついつい」
舌をペロッと出しておどける。
と、ドーンと打ち上げの地響きがひとつ。
「あ、先パイ。花火……」
「うぁ、でけぇな」
間近で見る花火は迫力で、天のカンバスに笹飾りを描き散らしたようだった。
