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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

~宮石花野side~

昼間は怖い人たちにつかまって、一大事だったけど、依田君が止めようとしてくれて。
吉坂先パイと柊先パイも窮地にさっと現れて、映画のヒーローみたいで……。

マコと滝沢君も無事でよかった。

あとから震えがきて、どうしようもない私を抱き締めてくれた。
吉坂先パイの腕の中、安心した…。

その吉坂先パイに誘われて夏祭り。
私の気分を変えようとしてくれる。
出店で、はしゃぐ先パイは根っから楽しそうで、そんな笑顔を見る私も嬉しかった。

夕暮れ時になり、人の流れに添って川原の方へ歩いていく。

「花野ちゃん。迷子になると困るから、手を繋ご?」

「え、あ…」

戸惑っているうちに手をつかまれ、ぐいっと引っ張っられる。

こんな私で先パイの気分転換になってるのだろうか。
気になって顔を覗くと「ニシッ」と笑ってくれた。
伊織君に似た笑顔。

「ここから見ようか」

石垣の上に腰を降ろした先パイの隣に座る。

ふと隣を見ると、キスしてるっ?
その反対側も抱き合っていらっしゃる?
私たち、ラブラブカップルに囲まれてない?

「俺、花火って出向いてまでして見るのは初めてなんだけど、こんなイチャついてんの?」

「目のやり場に困るな」と先パイは頭をかく。

「いえ、私も知りませんでした」

周りの様子とかあまり気にしなさそうな先パイなのに、何か照れてる?可愛いっ。

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