
僕ら× 1st.
第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn
***
祭界隈は両脇に出店が並び、人通りも多くなる。
柊とは、入口で別れた。
見つからないように後ろからついてきてるんだろうな。
「花野ちゃん。食べ物、何かほしい?」
「そういえば、もう夕ごはん前ですね。私、ベビーカステラがほしいです!」
「おう、買っちゃる」
店員にすぐ注文を通す。
「え?いいですよ。自分で買いますから」
応急処置を施した鞄から財布を出す彼女を制する。
「いいだろ?俺史上初のデートなんだぞ?」
カステラの包みを持ち、ひとつつまみ食い。
「え?先パイが初めてなんですか?」
「あ、花野ちゃんは違うか。ちぇっ」
伊織といろんなとこに出掛けたんだろうな。
去年の夏はプールに行ったとか…。
帰って来た伊織は口の端がたるみきって、何かいいことがあったって顔をしてたな……。
「妹とだからデートにならないですよ?まだ大丈夫です」
あれは俺が言い出したんだけど、花野ちゃんのこと、妹だなんて実際は思ってねぇんだよ…。
とりあえず話題をずらす。
「…さ、飲み物は何があるかな?」
平たい石の上に座って屋外ランチ。
カステラだけじゃ甘くて耐えられねぇ俺は、ホルモン焼きそばも買ってきて、一緒に食べた。
「先パイ。口のまわり、ソースついてます」
「ごちそうさまでした」と言いながら、俺の口をティッシュで拭ってくれる。
わ、恋人同士みたいじゃね?
そのあとは、亀釣りの男のコを応援したり、射的したり、大道芸を見たりして楽しく過ごした。
彼女の隣でガキんちょみたいに夢中になるのが楽しかった。
祭界隈は両脇に出店が並び、人通りも多くなる。
柊とは、入口で別れた。
見つからないように後ろからついてきてるんだろうな。
「花野ちゃん。食べ物、何かほしい?」
「そういえば、もう夕ごはん前ですね。私、ベビーカステラがほしいです!」
「おう、買っちゃる」
店員にすぐ注文を通す。
「え?いいですよ。自分で買いますから」
応急処置を施した鞄から財布を出す彼女を制する。
「いいだろ?俺史上初のデートなんだぞ?」
カステラの包みを持ち、ひとつつまみ食い。
「え?先パイが初めてなんですか?」
「あ、花野ちゃんは違うか。ちぇっ」
伊織といろんなとこに出掛けたんだろうな。
去年の夏はプールに行ったとか…。
帰って来た伊織は口の端がたるみきって、何かいいことがあったって顔をしてたな……。
「妹とだからデートにならないですよ?まだ大丈夫です」
あれは俺が言い出したんだけど、花野ちゃんのこと、妹だなんて実際は思ってねぇんだよ…。
とりあえず話題をずらす。
「…さ、飲み物は何があるかな?」
平たい石の上に座って屋外ランチ。
カステラだけじゃ甘くて耐えられねぇ俺は、ホルモン焼きそばも買ってきて、一緒に食べた。
「先パイ。口のまわり、ソースついてます」
「ごちそうさまでした」と言いながら、俺の口をティッシュで拭ってくれる。
わ、恋人同士みたいじゃね?
そのあとは、亀釣りの男のコを応援したり、射的したり、大道芸を見たりして楽しく過ごした。
彼女の隣でガキんちょみたいに夢中になるのが楽しかった。
