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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

私たちが降りるとわかった花野も顔を拭き拭き、身支度を始める。
だけど、アル先パイは花野を保護した手を緩めなかった。

「花野ちゃんはこのまま乗っててね」

「え?でも」

「話がある」

ピシッと言われて、先程のように反論を飲み込む花野。

「…はい」

アル先パイ、以前に比べたらすごく積極的になったな。
速水がいないから…これが、素のアル先パイなのかな。

「ヨーダはどうするの?」

わかっていたけれど、一応尋ねてみた。

「俺も降りるよ。あ、宮石。靴」

ヨーダは花野にミュールを渡す。

「あ、拾ってくれてたの?よかったぁ。ありがとう、依田君」

降車したらこいつに由奈と何があったか聞いちゃろ。

「あのっ、先パイ。話って何ですか?」

あんたは今聞くのか!

早く済ませて私たちと一緒に帰ろうなんて思うなよ。

アル先パイがわざわざあんたに話ってことは、私たちに聞かれたくない話よ。

「あーとーでっ」

ですよね!

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