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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

「あいつ、年末頃から様子がおかしかったんだ。でも連絡が取れなくなるなんて思ってなくて」

ヨーダが由奈について話しだすので、私が相手する。

「様子がおかしかったって?」

「いや、うん。何となく」

年末?
そういえば、クリスマスイヴをヨーダと過ごすとか言って喜んでたな…。

「イヴデートしたの?」

「デートじゃないよ。借りを返すためにランチしただけ」

2人だけで会ったらデートでしょ?
ま、花野の前じゃ言いにくいか。

「元気なかったの?」

「いや、はじけてたというか…よくわかんなかった」

モゴモゴと口ごもるヨーダは、何か隠しているな…。

「それにさ、俺には隣国留学するって言ってたんだよな」

「え?留学?そうだったの?」

じゃあ見つからないはずよね。
それにしても由奈ったら水くさい。
そんなこと私、聞かなかったわ…。

「…由奈ちゃん、向こうの高校に通ってるのかな?」

花野がポツッと口を開くと、アル先パイがすぐに応じてくる。

「俺、ツテあるから調べてやるよ」

「え、ホント?先パイ、そんなのわかるの?ありがとうございます!」

「んっ。そんなデカイ国じゃないから、休み明けに教える」

そう言った先パイは、花野の頬に残る雫を指ですくった。

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