
僕ら× 1st.
第17章 水の中 --Khs,Ar,Thk
修学旅行を終えて、次の金曜日の放課後に音楽室に向かう。
やっぱりいる…。
週2回、ドアの前で花野をまちぶせてるこの男。
「また待ってるの?」
「ふ」
なあにが"ふ"だ。
私にかける言葉はないんか?
鍵を回して開けていると元気な声。
「桃湖、おかえりー!あ、吉坂先パイ」
私に喋る間を持たせず、この男は彼女の視界に入るように身体をずらす。
「や!俺も入っていい?」
いつも吉坂は、ここで20分ほど過ごして帰る。
今日は旅行のお土産を渡しに来たよう。
私に構わず花野に絡むなんて、あいつそっくり。
もしかして、取り憑かれた?
お礼にと花野が選んだのはラグタイム曲"パイナップル・ラグ"。
「聞いたことあるある。これも映画の曲?」
「映画のために作られたわけじゃないですけど、"スティング"って映画で流れます。先パイ、"明日に向かって撃て!"って映画、ご存知でしたよね?」
「うん、知ってる!"雨にぬれても"!」
「はいっ」と嬉しそうに笑うので、吉坂は更に目を細める。
やっぱりいる…。
週2回、ドアの前で花野をまちぶせてるこの男。
「また待ってるの?」
「ふ」
なあにが"ふ"だ。
私にかける言葉はないんか?
鍵を回して開けていると元気な声。
「桃湖、おかえりー!あ、吉坂先パイ」
私に喋る間を持たせず、この男は彼女の視界に入るように身体をずらす。
「や!俺も入っていい?」
いつも吉坂は、ここで20分ほど過ごして帰る。
今日は旅行のお土産を渡しに来たよう。
私に構わず花野に絡むなんて、あいつそっくり。
もしかして、取り憑かれた?
お礼にと花野が選んだのはラグタイム曲"パイナップル・ラグ"。
「聞いたことあるある。これも映画の曲?」
「映画のために作られたわけじゃないですけど、"スティング"って映画で流れます。先パイ、"明日に向かって撃て!"って映画、ご存知でしたよね?」
「うん、知ってる!"雨にぬれても"!」
「はいっ」と嬉しそうに笑うので、吉坂は更に目を細める。
