テキストサイズ

僕ら× 1st.

第12章 夏鍋パ --Hzm

俺が帰宅したとき、片付け終わったリビングでリィが1人で本を読んでいた。
聞けば、兄貴は業務、そして妹は入浴中、自分はもう済ませたと。

「ハニィが少しぼーっとしてるの。風邪の引きはじめなのかな?和波兄も無理せず休めって」

「そっか。風呂は一緒に入らなかったの?」

そういうカタいリィだから妹を預けられるんだけど、溺れてないか心配。

「浴槽は危ないからシャワーだけにしろって言われてたよ。それに、僕らはそんな関係じゃないから」

「じゃあ、どんな関係?」

「……いや、うーん。両想いだとは思う」

はあ?つきあってるくせに何を言うんだ?

「あー、おめでと。で、いつ結婚するの?」

「今すぐにでもできるならしたいけど。僕に経済力がついてから。それまで、心変わりしないでいてくれるかな?」

こいつは俺の軽いフリに、真面目に答えるよなぁと感心する。

生きてりゃ移ろいゆくもの。
けれど、リィが妹の手を離さなければ大丈夫だろ。

「心変わりの可能性はお前にもあるだろ?」

「僕に?……僕のどこを切ってもハニィが染みこんでるのに?」

「ふざけた身体だな」

「依存性猛毒」とリィはニコニコする。

その後、やけに神妙になった顔でリィはこう言った。

「お兄ちゃん。僕、高校に入ったらハニィを……抱いてもいい?」

「……ん?」

んんん?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ