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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

そのコは、さっきまで僕が会っていた女のコにそっくりだった。

そして、男はアル兄に。

でも、何か様子がおかしい。
僕のほうに顔を向けながらも、2人は僕を見ていない。

"マスター"だって?

さっきから不自然な姿勢で静止している。
この2人は、人間じゃない……兄貴が作ったのか…。

動揺を押さえようと無意識に僕の手が動いたとき、カサッと横の棚に乗っていた袋が落ちた。
可愛らしい包装だな…、はみ出た中身を直そうとして固まる。

これ、ブラ?
誰の?
クリスマスプレゼントっぽいけど。

僕は、袋を戻して足早に兄貴のラボ部屋から出て行った。

何だ、あれは……。
兄貴ったら、下着フェチ?
まさか女装するのか?

……いや、焦点がズレた。
兄貴、何かすごいものを作ってるな……。
動いて喋ったよ。

いやいや、そうじゃなくっ。
楽観視できない現実。
あの女のコ……モデルは、花野?

彼女にピアノを弾かせて、機械のアル兄が改善点を挙げ連ねているんだ……。

なぜって……なぜって……考えられることは3つ…?

すぐに浮かんだ1つ目は、不用意言及禁止。
2つ目は、厳しいか?僕へのドッキリ…。
3つ目は、偶然あるいはその他。

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