
僕ら× 1st.
第8章 le journal --Ior,Ar
進路指導室では、以前俺の担任も務めた永井と、背の高いメガネをかけた男が机をはさんで話をしていた。
その長身メガネ男は、俺を見るとニッと笑った。
彼女の兄貴……。
カッコいい大人の男を絵に描いたような。
メガネは伊達か?
「あのときは、傘をお貸しいただきありがとうございます。えと、自分は隣の部屋でしたか?」
兄貴に礼をしたあとで、教師に尋ねた。
「いや、お前もここだ。じき、お前の愚弟とこちらのご息女も来られる」
「え?」
何その扱いの差?ってのは置いといて、こちらのご息女って、彼女だよな…。
2人そろって保護者呼びだしって、何したっていうんだ?
「まず、こっちにかけて、これを見ろ。中等部の新聞だ。こっちが改訂版で公開されたほうだ」
永井は机の上にある2枚の紙を指す。
新聞?あのガセネタ部か?
あいつらまた、しょうもないこと書いたんだろ。
そう思って促された椅子に座り、目を通す。
画像には顔は写っていなかったけど、二学期始業日の屋上で、俺も2人を見た…。
うしろ姿とはいえ、自分が好きだった女のコ。
背格好、髪の長さと質感、カバンの飾り…彼女だ。
そして、彼女にまとわりつく伊織の手……。
あいつ秋頃、絶望的とかぬかしてたんだよな?
こんな密着して抱きしめてんじゃねぇかよ。
で、何だこの醜悪な記事は……。
柊のときほどじゃないにしても……。
落ちこんでたってのは、彼女のことじゃなくてこの新聞記事のことだったのか?
「この記事を書いたヤツ、連れてきてよ」
もう二度とペンを握れねぇようにしてやる。
今は指1本あれば充分文字を綴れる時代だしな。
その長身メガネ男は、俺を見るとニッと笑った。
彼女の兄貴……。
カッコいい大人の男を絵に描いたような。
メガネは伊達か?
「あのときは、傘をお貸しいただきありがとうございます。えと、自分は隣の部屋でしたか?」
兄貴に礼をしたあとで、教師に尋ねた。
「いや、お前もここだ。じき、お前の愚弟とこちらのご息女も来られる」
「え?」
何その扱いの差?ってのは置いといて、こちらのご息女って、彼女だよな…。
2人そろって保護者呼びだしって、何したっていうんだ?
「まず、こっちにかけて、これを見ろ。中等部の新聞だ。こっちが改訂版で公開されたほうだ」
永井は机の上にある2枚の紙を指す。
新聞?あのガセネタ部か?
あいつらまた、しょうもないこと書いたんだろ。
そう思って促された椅子に座り、目を通す。
画像には顔は写っていなかったけど、二学期始業日の屋上で、俺も2人を見た…。
うしろ姿とはいえ、自分が好きだった女のコ。
背格好、髪の長さと質感、カバンの飾り…彼女だ。
そして、彼女にまとわりつく伊織の手……。
あいつ秋頃、絶望的とかぬかしてたんだよな?
こんな密着して抱きしめてんじゃねぇかよ。
で、何だこの醜悪な記事は……。
柊のときほどじゃないにしても……。
落ちこんでたってのは、彼女のことじゃなくてこの新聞記事のことだったのか?
「この記事を書いたヤツ、連れてきてよ」
もう二度とペンを握れねぇようにしてやる。
今は指1本あれば充分文字を綴れる時代だしな。
