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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

彼女を煽って認めさせるんだ。
誤解でも何でもいい、僕に恋愛感情を持ってるって。

もう、資格はあと。
この1年でわかったんだ。

僕がどれだけ彼女を渇望しているか。
彼女のすべてを手中に置きたい。
溺れたら、溺れたときに考える。

素直になるのが怖くて、言いわけを並べていた1年前の僕とは違う。
周囲から抱きこんでやる。

「やだって……これは新聞部のだし」

先生の権限で、新聞部に認めさせればいいんだよ。

「わかった。じゃ、僕も竹刀で物言わす」

その場合は、記事自体の取り消しとなりそうだけど。
でも、そんなことしなくても大丈夫。

「やめぃ。俺が納得させるよ……この記事は、お前に悪意があるとしか言えねぇし。まんま見せて悪かったな」

ね。

「やっかみは男の勲章だよ」

「強いな…。ただ、お前らの保護者が学年主任に呼ばれるだろうな」

根岸顧問サイドはパスってことだな。
でもやっぱ、親呼びだしか…。

彼女のとこは多分、和波兄。
僕は…?

入学式もスルーした無関心で多忙な親父が来るとは思えない。
俺たちの世話役である現ブレーンか?その腹心か?

「先生、迷惑かけてごめんね?ありがと」と、顧問に投げキッスをして、僕を待つ彼女のもとに走った。

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