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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

「吉坂?あっあ、あいつな……」

突然、根岸顧問のメーターが細かくブレた。
アル兄の名前が出て動揺してる。
ふうん?

「ああ、兄貴ったら中2の時に新聞部に殴りこんだらしいね」

柊兄の誹謗中傷を盛大に書かれて。
本人は気にしてなかったみたいだけど、アル兄は許さなかった。
新聞部のヤツら、いよいよってとこで自分たちがおとしめた柊兄に助けられたってゆーし…。

「あー、そんなこともあったな。
あのとき、対応したのは俺じゃないんだ」

この反応は…。
僕が言った言葉は、顧問が予期しないことだったのか。
この1年間で兄貴はまた何かしでかしたのか?
それとも…。

「僕もそうしようか?こんな記事、書かれて。"心なしか"って!」

「そこにこだわるなよ。認めてるみたいだぞ?」

そこにこだわる可愛い生徒だろ?僕って。

「…で、記事内容、変更してよ?」

「部分消去でよくね?」

「やだ。せっかく考えたのに」

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