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僕ら× 1st.

第6章 卒業まで --Ar,Mkt

「向こうは、変な女としか思ってないよ」

知らない女に声をかけられたんだもの。
でも私は、あなたの好きな女のコの親友。
もう、先パイは私をムゲにできないはず。
と、私の頭が計算する。

「そんなことないよ!マコはカッコ可愛いもん!」

ありがとう、でもね…。
どう見ても、あんたのほうが男受けいい。

「アル先パイには好きな女のコがいそうだから、私は見てるだけでいいんだ」

もともと期待していなかったから、あんまりショックでもない。

「そうなの?」

「できれば、そのコとうまくいってほしいな」

花野のなかから速水が消えることはない。
でも先パイの居場所を、作れないだろうか…。

「マコは優しくて強いね。私、そんなことになったら応援できるかなぁ」

「そんなことにはならないよ。速水は花野オンリー」

「私たちはそんなんじゃないから」

まだ言ってるよ。
昔から仲の良すぎる幼馴染みってのも考えものね。
それが普通とか思ってるんだから。

「はいはい。リル君とは家族だもんね。じゃ、休憩終わるから、またね!」

「うん。来てくれてありがとう」

「部活、がんばってね。また、来てね」と笑顔で私は送りだされた。

ピアノはあるけれど、速水がいないあの部屋でひとり、寂しくしてるんだろな。

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