
僕ら× 1st.
第6章 卒業まで --Ar,Mkt
先パイが見ていた女のコは、小学校途中からの私の親友。
家が近いこともあり、私はよく彼女と手をつないで家に帰った。
厳密にいえば、彼女にくっつく男:速水も一緒に。
喋りたがりの私の話を楽しいと聞いてくれる彼女に、私も調子に乗ってどんどん誇張して。
だけど、彼女は疑わずに素直にうなずく。
彼女の返しはツッコミどころが多く、私は彼女と会話するのが楽しかった。
そして速水は、私と彼女の会話のところどころに口を入れてきた。
彼女をはさんでふたりで主導権を取りあった。
そう、速水。
彼女には速水がいる。
私よりも、ずぅーっと長くあるふたりの関係。
生まれてから両親の事故死まで、ほぼ海外で家族のように過ごしてきたという。
10歳のときに帰国したふたりは、私と出会ったときには、すでに恋人同士のようだった。
考えれば、両親亡き直後の初めての異国の小学校、頼れるのはお互いのみだったんだろうな。
当然、冷やかす生徒もいたが、事情を知ってるクラスメイトたちの対応は大人だった。
それに彼女は、どうあってもおもしろネタにできるような状況ではなかった。
授業中に声を殺して泣きだす彼女に、私ももらい泣きした。
口うるさい両親でも、いないとなるとどんなに寂しいだろう。
何人かの女子が泣きだし、男子も鼻をすする教室で、速水が席を立って彼女を慰めても教師は止めなかった。
しかし、さすがに毎日のようにこれでは授業が進まないので、彼女は授業中でも音楽室に行く権利を与えられた。
きっと、彼女の家が由緒ある名家なのも、特別扱いの一因なのだろう。
家が近いこともあり、私はよく彼女と手をつないで家に帰った。
厳密にいえば、彼女にくっつく男:速水も一緒に。
喋りたがりの私の話を楽しいと聞いてくれる彼女に、私も調子に乗ってどんどん誇張して。
だけど、彼女は疑わずに素直にうなずく。
彼女の返しはツッコミどころが多く、私は彼女と会話するのが楽しかった。
そして速水は、私と彼女の会話のところどころに口を入れてきた。
彼女をはさんでふたりで主導権を取りあった。
そう、速水。
彼女には速水がいる。
私よりも、ずぅーっと長くあるふたりの関係。
生まれてから両親の事故死まで、ほぼ海外で家族のように過ごしてきたという。
10歳のときに帰国したふたりは、私と出会ったときには、すでに恋人同士のようだった。
考えれば、両親亡き直後の初めての異国の小学校、頼れるのはお互いのみだったんだろうな。
当然、冷やかす生徒もいたが、事情を知ってるクラスメイトたちの対応は大人だった。
それに彼女は、どうあってもおもしろネタにできるような状況ではなかった。
授業中に声を殺して泣きだす彼女に、私ももらい泣きした。
口うるさい両親でも、いないとなるとどんなに寂しいだろう。
何人かの女子が泣きだし、男子も鼻をすする教室で、速水が席を立って彼女を慰めても教師は止めなかった。
しかし、さすがに毎日のようにこれでは授業が進まないので、彼女は授業中でも音楽室に行く権利を与えられた。
きっと、彼女の家が由緒ある名家なのも、特別扱いの一因なのだろう。
