
完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第12章 【最終章】完璧な駄犬と憂鬱な秘書
財前さんの恋人が気になるところだが…
部屋に入るとスマホが軽快に鳴り出した
スマホの画面に受信者の名前が表示され私は慌てて出た
相手はブライダル会社――――…今週ドレスの試着に行く予定だったが…来れそうか?と言う確認の電話だった
曽根の状態を考えると…二人では行けそうにない
でも、日にちも迫っていてそろそろ決めないといけないのも分かっている…
「――――…私一人で伺います」
そう言って電話を切った
“それはよろしくないですね”
財前さんの言葉が胸に刺さる…
「我が儘…言えないよ」
本当は甘えたり…我が儘言っりしたい…でも、これ以上曽根の仕事量を増やしては体が持たない…
