
完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第10章 完璧なライバルと憂鬱なご主人様
どこをどう歩いたか…思い出せないが…
私は…社長室にいた…
机の上には…“ごめん”と…放り出した仕事がそのままあった
「――――…仕事…しないと…」
机の上の仕事は…ぶっちゃけ急ぎの物では無いが…
後からの事を考えると…速く片付けてしまいたい
私はその仕事を手に取り――――…
誰も座っていない社長の席に視線を向ける
「…明日から…仕事…どうしよう」
曽根との関係を考えると……このポジションはとてつもなく…気不味い…
どうしよう…
「また、財前さんにたのもうかな?」
――――…曽根の嫌がる顔が目に浮かぶ
「――――…そんなの…私の、知った事じゃない!!」
