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腐男子高校生と幼馴染のわんこ声優

第13章 ~殉職という名の幕下ろし~

「郁君…。」

「はい…!」

「最後に、翔太さんに伝えたい事が…あったらさ……。
あの世で、伝えるから……言って…欲しい…。」

俺は、最後の力を郁君の伝言に使う事にした。

「そんな、湖南さん…!
最後だなんて…。」

しかし、郁君が拒む。

翔太さんに伝えて欲しい事を言うと、俺が死んでしまうからだろう…。

自分が言わなければ、きっと俺が死なないと僅かな希望を抱いて…。

「郁君…ゴホッ……頼む…時間が…ゲホッ…!」

俺の命の灯火が消える時が、どんどん迫ってきている。

「湖南さん…。」

「郁君!」

「頼む、言ってくれ!」

「湖南さんに、きみのお父さんに伝えて欲しい事を!」

渋る郁君を、睦月さんと晴希さんと始さんが懇願する。

「郁君、お願いでヤンス!
湖南さんの最後の願いを、聞いてあげて欲しいでヤンス!」

睦月さんや部下組達も、もう俺が助からないと受け止めて腹を括ったんだろう…。

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