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腐男子高校生と幼馴染のわんこ声優

第10章 ~不穏な前兆の幕開け~

1時間ぐらいが過ぎて、お母さんが帰って来た。

◇小野家1階・玄関◇

「お母さん、忘れ物とかしてない?」

「大丈夫よ」

出かける準備を終え、僕とお母さんは玄関で靴を履く。

「郁、行くわよ」

「うん」

いよいよ、待ち合わせ場所のレストランに行くのか…。

少し緊張してきたぞ…。

◇道中◇

「待ち合わせ場所は、レストランの前?中?」

「入り口付近のとこで待ち合わせよ」

徒歩でレストランへ向かってる最中、お母さんは何だか楽しそうな表情を浮かべている。

僕を助けるために起こした、お父さんによる殺人事件。

その事件以来、お母さんはずっと苦労してきた。

僕が再婚を反対すれば、お母さんは悲しむだろう。

せっかく、お母さんが幸せになれる機会が訪れたんだ。

僕は、お母さんの今までの苦労が報われるなら、喜んで再婚に賛成して相手の事を、お父さんと呼ぼう。

「見えて来たわ」

「あのレストラン?」

「そうよ」

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