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腐男子高校生と幼馴染のわんこ声優

第8章 ~ステージ上で倒れる郁~

「郁君!!郁君!!」

イベント参加者達が全員出て行ったあとも、何度も何度も呼んでるのに郁君は目を覚ましてくれない…。

目を覚ます気配もなし…。

「有里、先ずは彼の手当だ!」

歩さんの近くに居た真根さんが、ステージ上に上がって来る。

「とりあえず、血だけでも」

歩さんもステージ上に上がって来て、持っていたタオルで郁君の頭から垂れている血を拭き取る。

「俺が、スタッフルームに運びます!
歩、手伝ってくれ!」

「わかった!」

研磨さんの言葉に頷き、歩さんは郁君の体をゆっくり起こす。

そのまま持ち上げて、研磨さんの背中に乗せる。

歩さんはこのまま残り、僕と他のメンバー達と真根さんと研磨さんは、裏口の階段から降りてスタッフルームに向かう。

スタッフルームで、意識不明の郁君の手当てを研磨さんがしてくれた。

僕は、ずっと郁君の事でパニクって涙が止まらず、落ち着くのに少し時間がかかった。

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