テキストサイズ

僕のまーくん。

第42章 綾野くんpart3学校編


一時間目のチャイムがなって、
それぞれ机をまた、元の位置に戻し始めた。

ガタッガタ…ガタガタン…ガタ…ガタッ

……さようなら。
二宮くん。

なんて、心の中で大袈裟に呟きながら
ふと、思い出した。

休みの日からあんなに、「これ」を
渡す事を考えていたのに…

この時間の、衝撃的な出来事に
すっかり俺ってば忘れてしまっていて。

「あっ!」

思わず、机をガタガタ動かしながら
声まで出てしまってた。
でも、幸いそれはうるさいガタガタに紛れて
誰にも聞こえてなかったようで。


どうしよう。


休み時間に入った、この時間に今!
まさに、今が渡すチャンスじゃないか?


そう思って。


机の中に入れていた、ハンカチが入った
小さな袋を取り出そうとした時に、
後ろの二宮くんからまさかの
呼ぶ声が聞こえた。


N「綾野くん」


へっ!?


「はっ、はいぃ?」


あわわ……


こ、声が裏返ってしまいました!

恐る恐るを顔だけ後ろを向くと、
二宮くんが座ってて。
ニコニコしていた。


N「ねぇ、綾野くん、この前はさ…あの、
 本当に色々ごめんね?」


って突然謝ってきた二宮くん。


ぅえっ!?

と、俺もビックリして、体ごと思いっきり
ガタンと音を立てて向きなおした。


それから、二宮くんがちょいちょいって
こっそり周りを少し気にしながら
小さく手招きしている。

気付くと松本くんも、どっかいなくなっていた。


…その仕草。


か、可愛いすぎます。



なんだか、言いにくそうに少し溜めた後に


 
N「あのさ…まーくんと、その…僕がそういう関係
 だっていうの……あのぉ内緒にしててくれる?」



二宮くんがちょっと顔を赤くしながら、
そう言って顔の前でパチンと、手を
合わせる仕草をしている。

……ぐわぁっ

か、可愛い!


な、なんて言っていいのか。
あなた、本当に男子なんですよね?


ほぇぇ……あ、相葉先輩の彼女さん。


俺なんかが、到底敵う訳がない。
あなた様の可愛さは、本当に最強ですよ。
こんなに近くで、話す二宮くんの破壊力は
…やっぱり半端なくて。


こんな人からの、そんなお願いは…


た、頼まれなくたって!!


「も、もちろん!誰にも言いませんから!」


俺は、勢い余って二宮くんの手を握りしめて
しまっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ