
僕のまーくん。
第39章 オープンな三角関係
涙をごしごし制服の袖で拭こうとする
綾野くんに、
N「はい、これ。使ってないやつだから」
ポケットから出してハンカチを貸してあげた。
綾野くんは「あ……ありがと……」って
僕のハンカチをおずおずと受け取って
涙を拭いた。
「いい匂い……二宮くんの匂いですね……
赤ちゃんみたいな……いい匂い……」
へっ?
まーくんと、思わず目を合わせてフフッと
笑ってしまった。
だってさ、この人地面にお尻ぺちゃっと
未だにつけたまんまさ、泣いちゃって……
ハンカチで涙を拭う姿がさ。
本当に、女の子みたいなんだよ。
可愛いって僕の事言うあんたも、今
相当可愛く見えるよ?
A「立てる?」
まーくんが、綾野くんに「んっ」と言って
右手を差し出していた。
それを見た綾野くんは、赤くなった目を真ん丸くし
て、まーくんを見た。
「えっ……ちょっ……」
真っ赤になる綾野くんは、本当に乙女だった。
まーくんは、優しいからね。
そんなことも、自然にする人だから。
ニコニコしながら、綾野くんに
手を差し出すまーくんを見ながら
僕は思った。
この優しさが、まーくんなんだって。
綾野くんは、震える手でまーくんの手を
握った。
ニッコリ笑ったまーくんに綾野くんがまた、
顔を赤くした。
立ち上がった綾野くんは、そのまま
まーくんに「ありがとうございます」と
お礼を言った。
A「もうストーカーは止めてね?クフフッ
友達。になったんでしょ?僕ら。」
まーくんが、綾野くんに言ってるのを
聞いて僕も、笑った。
二学期になって。
新しい、意外な「友達」が出来た。
……潤くんが聞いたら、なんて言うかな?
フフッ
また、ビックリさせちゃうだろうな。
