
Hello
第53章 可愛い人は ② * 山
なんちゅー声をだすんだ!
と、心でつっこむ。
ところが、思ったより飴の部分が硬かったみたいで、智くんは、なんども歯を立て直して、四苦八苦してる。
「あ……かたい……」
「…………」
「んん……」
「………………」
なんだこれ。
「あー……かたい。アゴ痛くなるじゃん……」
「…………」
アゴね……はいはい。
「やっ……こぼれる……」
なにがだよ!!
俺は足を何度も組み直して耐えてたけど、ダメ押しのように智くんが、
「あん……」
なんてゆーから!!
興奮が頂点に達した俺は、思わず智くんの肩をぎゅっと抱き寄せて、りんご飴を持ってる手を遮った。
え?とこちらをふりあおいだ智くんの、ちょっとテカテカな唇を塞ぐ。
「んん……っ」
そのまま舌をねじこんで甘い口をあますところなく堪能する。
舌を絡めて、なんども角度をかえて。
智くんが抵抗するように顔を背けかけるのを、抱いた肩から伸ばした手で固定する。
えっちのときにしかしないような深いキス。
始めは戸惑ってた智くんも、俺の仕掛けるキスにだんだん息があがってきて、合間合間に、色っぽい吐息をこぼすようになった。
「……ん……っ……ん」
広場の一番奥まった場所にあるベンチ。人通りは少ないし、通りに背を向けて座ってるし。
薄暗くて。
俺は少しずつ大胆になってきて。
浴衣の合わせ部分に手をさしこみ、智くんの太ももをスルリとなであげた。
