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ジッパー様

第22章 ジッパー様の正体

 私はゆっくりとジッパー様に振り返った。そしてその姿を見て驚く。本当に胴体からは四本の腕が生えていた。


「……」


 ジッパー様と目が合う。
 その灰色の瞳は、悲しげに私を見つめていた。


「それでも私は構いませんっ……。あなたがどんな姿だろうと、私を愛し、守ってくれたのですから……。だから、私は……」

「この姿は仮の姿なのです」

「……え?」

「本当の私は、肉の塊だった」

「!?」

「胴体もなく、手足もない。あるのは片目のみ。その姿で私は世界をさまよっていました。そして拾われたのです、ルーアニアのとある研究施設に。そこで私はジッパー・ヘンドリックという椅子職人に出会いました」



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