
COLOR’S~殺したのは私~
第21章 朱夏VS一茶(SHUKA SIDE)③
「帰る」
思い込んだら居ても立ってもいられない。
「帰るって……まだ花火終わってないぞ」
「朱夏ちゃんごめん……怒らせちゃったよね」
そんなんじゃない。
気持ちがざわつくだけ。
『ド────ン!!!ド────ン!!!』
人混みを掻き分け自宅に向かって突き進む。
慣れないお酒を飲んだせいで酔いが回る一方だ。
行き交う人々と肩がぶつかり「すみません」と謝りながら黙々と走り続ける。
小さい頃、花火大会になると白石家と青島家でこの道中を毎年行き来していた。
人混みを抜けると一茶と碧海が走り出し、その直ぐ後ろを私が走り、足が遅い琥珀は泣きながら私たちを追い掛けていた。
琥珀は全てにおいて鈍臭く、母親はよく手を焼いていたがその半面、出来が悪い子ほど可愛いということか三姉妹の中では琥珀が一番両親から愛情を注いでもらっていた。
大人しくて人の顔色ばかり窺い自分を主張することもままならない琥珀がセクシーな下着を身に付け、セフレまで存在していることに納得いかない。
言い方を変えれば真逆である。
下着にしてもセフレにしてもある意味それは主張と言えよう。
セクシーな下着で男を誘い、男が欲しいあまりセフレという存在が現れた。
立派な主張だ。
琥珀のことを自分の中で折り合いを付けたい。
納得出来る答えが欲しい。
碧海ならそれをくれるはず。
冷静で賢い碧海なら。
思い込んだら居ても立ってもいられない。
「帰るって……まだ花火終わってないぞ」
「朱夏ちゃんごめん……怒らせちゃったよね」
そんなんじゃない。
気持ちがざわつくだけ。
『ド────ン!!!ド────ン!!!』
人混みを掻き分け自宅に向かって突き進む。
慣れないお酒を飲んだせいで酔いが回る一方だ。
行き交う人々と肩がぶつかり「すみません」と謝りながら黙々と走り続ける。
小さい頃、花火大会になると白石家と青島家でこの道中を毎年行き来していた。
人混みを抜けると一茶と碧海が走り出し、その直ぐ後ろを私が走り、足が遅い琥珀は泣きながら私たちを追い掛けていた。
琥珀は全てにおいて鈍臭く、母親はよく手を焼いていたがその半面、出来が悪い子ほど可愛いということか三姉妹の中では琥珀が一番両親から愛情を注いでもらっていた。
大人しくて人の顔色ばかり窺い自分を主張することもままならない琥珀がセクシーな下着を身に付け、セフレまで存在していることに納得いかない。
言い方を変えれば真逆である。
下着にしてもセフレにしてもある意味それは主張と言えよう。
セクシーな下着で男を誘い、男が欲しいあまりセフレという存在が現れた。
立派な主張だ。
琥珀のことを自分の中で折り合いを付けたい。
納得出来る答えが欲しい。
碧海ならそれをくれるはず。
冷静で賢い碧海なら。
