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会話が出来ないどころか

止まない口づけに

呼吸さえも出来ないような

私と優人






『ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…・・・なんで？』





唇がはなれ、向かい合う

ほんの少しの落ち着きと

ほんの少しの隙間に

私は優人に問いました






なぜ…あなたがここにいて

どうして私の目の前に現れたのか・・・




同じように言葉の中々出ない優人は


私を見つめつつ

チラっと

自分の右手に巻き付けた物を

私に見せてきました





そして・・・





ｼﾞｬﾗ・・・





彼の手のひらから

プラっと鎖に下がって

控え目に姿を現すのは

探し続けた私の指輪




私の・・・宝物








『よか・・・った・・・』



整わない呼吸で
自然と一言発する





ダメ元だったそれが

最後の最後に…みつかった


私の元に戻ってきた



それも




その・・・贈り主の手によって






〃私は…それを探していたの

それでここに来たの〃






と言う…ひとまずの

ひとつの答えを得た優人は

その場ではもう混乱したように

何かを聞いたりはしなかった







優人が手のひらにのせて

ほどくように鎖からはずすそれを

見つめながら




〃やっぱり…そうだったんだ〃と



彼が手に巻き付けた

千切れたチェーンを見て

大切なそれを紛失した

その原因を見つめ納得していた