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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・

『っ・・・マリア・・・っ!!』






その声を・・・




懐かしい・・・その声を

聞いた瞬間に




私の全身の血が

一気に熱くなるように



硬直がとけ

フラッと…ふらつきながらも

体がぐんと前に出た









間違いなんかじゃない


夢でもない





ちゃんと・・・ちゃんと

〃現実〃だ















『ゆぅちゃん・・・・・・』







私自身も久々に

それも本人に向けて口にする

懐かしくも慣れ親しんだその呼称








『マリアっ・・・マリア・・・?!』




何度も私の名前を呼び



お前は本当に〃まりあ〃なのか?

と言うような調子で

確めるように私を呼び続ける



そんな彼の様子は




〃そんなハズがない〃と

何度も繰り返し自分に言い聞かせた

数秒前の私の心情と

きっとまったく同じものなのでしょう





そして・・・そう確かめ合う私たちは


どちらからともなく


お互いの両腕は


自然と…それこそ本能のように





まるで当たり前みたいに自然に

お互いの体を

抱きしめていました






それは・・・お互いの


お互いに対する〃意思と答え〃






なんで?

どうなってる?

どうしてここに?

なんでいるの?



お互いの言葉は
思うように出てこず
交わされず




そんな

じれったさにも似た空気に

追い付く事が出来ずに



見上げれは…そこから

彼が見下ろせば…こちらから





自然と唇が近付き




気付けば重なり合っていた









数年ぶりの・・・ぬくもり




懐かしいけれど




絶対に忘れない




大好きなぬくもり







言葉は出て来ません






代わりに




私の目からは

その感情のすべてのような

熱く・・・大粒の涙がこぼれ




それは

見上げる優人の目からも

止めどなく溢れ

次々と私の頬に落ちてきました

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