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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・

『ご・・・ごめんなさい・・・』






男の人の…大きな怒鳴り声




トラウマ・・・というのか

私は…どうしても

やはり苦手なのです




咄嗟に体が震えて

反射的に謝罪をして小さくなりました





「ケッ・・・」




舌打ちをして
男性は通りすぎて行きました





カランカラン・・・




突き飛ばされた反動で

私のスマートフォンが

数メートル先まで転がりました





〃『困ったらすぐに人を呼ばないと』〃


頭を過った、いつかの言葉に




ポロ・・・




ポロポロっ・・・





地面に転んだ私の目から

涙がこぼれました







この土地の人は冷たい・・・だとか



こわい人がいっぱいいる、とか



そんな風に決めつけたりもしなければ





実際にそんな事実はないことは


私にはわかっていました








あったのは別の事実です








〃『困ったら人を呼ばないと』〃


〃『助け合うのは当たり前だよ』〃





そんな風に声をかけ


例えば、こうして転んでいたら


当たり前の事のように


笑顔で手を伸ばしてくれる





助け合うことを教えてくれた



そんな・・・スグルさんや仲間たち







困ったり…悲しかったり


辛かったり不安だったり


弱気になってしまったり




そんな時に

助けを求める仲間が

ここにはいない








助けを呼ぼうにも

相談する仲間も

家族も・・・みんな




ここには、いないのです





わかっていて


改めて突き付けられるその事実






この場所にいる私は…




ここでは









私は・・・〃ひとりぼっち〃でした

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