
Everyday Love MORE
第1章 夢先案内人【白黄】
ジャスミンは夜中にふと目が覚めると近くにあるはずのデジタル時計を探した。
しかし、しばらく辺りを探しても見つからずジャスミンはここが自分の部屋ではないことに気がついた。
体が重いなぁ、と自分の体を見れば見覚えのある頼もしい仲間…であり愛おしい彼、テツがジャスミンの体を抱きしめていた。
まるで「絶対に離しませんよ」と言わんばかりに。
普通なら微笑ましく思うのだがジャスミンもテツも何も身につけていなかったのだ。一気に恥ずかしさが湧いてくる。
ジャスミンは今までに恋人がいたことなどなかった。エスパーである以上、自分は近づいてはいけないと勝手に思い、いつも恋心を押し殺してきた。
しかし、彼女が次に恋をしたのは共に戦い、背中を預けられる仲間。
もう勝手に心を読み取ってしまい勝手に失望し失恋してしまう恐れなんてない。
だからジャスミンはテツに全てを捧げたのだ。
テツに組み敷かれ、いつもより深い口付けをされるまではなんとか自分を保てたジャスミンだがそこから首筋、胸、お腹…と段々にテツの唇が下がるにつれジャスミンは恥ずかしさと「あんな犬みたいに無邪気なテツがこんな男らしい顔をするなんて…」という気持ちでいっぱいになった。
そしていよいよテツがジャスミンの体を貫いた。最初は痛くて痛くてたまらなかった。しかし、自分以上に痛そうで、眉を下げて謝ってくるテツが何だか面白くてジャスミンは痛みに耐えながら吹き出した。
そのときのテツの微妙な顔は一生忘れないだろう。
数時間前までの出来事を一通り思い出し、ジャスミンは消えてしまいたいぐらい恥ずかしくなった。
快感はうまくつかめなかった。初めてだから当たり前だ。とテツに慣れた様子で言われたときは「テツは今までどれほど経験しているだろう」と得体の知れない相手に嫉妬もしてしまった。
だが強烈な不快感や痛み、異物感の中でもジャスミンは確かに喜びを感じた。
テツと1つになったことがジャスミンは何より嬉しかった。
