
Everyday Love
第7章 あこがれ【白黄】
それから月日が経ち、バンがファイヤースクワッドに移動し、テツは正式に地球署への配属が決まった。
バンがいないのは寂しいが「これで毎日ジャスミンさんに会える…!」とテツは少しアブナい喜び方をしていた。
そしてテツは元々エリートであったたためか、めきめきと地位を確立し、いつの間にか地球署の副署長まで上り詰めていた。
ホージーとまではいかないがテツだってそこそこプライドはあり、そこそこ上昇志向だってある。実に喜ばしかった。
だが、地位は高くなってもジャスミンを思う純粋な気持ちは地球署に来たときから一切変わってなかった。
「もう、諦めなきゃ」「何年こじらせてるんだ?」自分で言い聞かせてもなかなか諦めきれない。それが恋なのだ。
しかし、相手側には心境の変化があった。
ジャスミンは本当にテツを可愛い弟・後輩としか見ていなかった。それ以上でもそれ以下でもない、と。
だが、地位を確立していきながら中身や外見も成長していくテツにジャスミンは戸惑ったのだ。
まだ当時からの屈託のない笑顔とあどけない言動は残っているのだが厳しい顔つきとドスの効いた声、洗礼された戦闘でアリエナイザーを追い詰めるテツは当時より何倍も成熟されていた。
「なんだろ…私は今頃テツを好きになったの?」
入ってきた当初ならわかる。だがもう何年も同僚という関係で今更どうすればよいのか。
よく見る少女漫画の幼なじみ同士の恋愛というのはこういうことなのだろうか。
ジャスミンはしばらくは1人で悩んでいたが長い付き合いからかホージーや抜群の観察力を持つセン、恋話の嗅覚は一流のウメコ、勘の鋭いスワンとドギー達に一斉にやんわり(ウメコは直球だったが)聞かれたときは流石に白旗を上げ白状した。
