
Everyday Love
第7章 あこがれ【白黄】
テツは地球署業務に配属されてからずっとジャスミンのことが好きだった。しかもかなり早い段階で。
クールビューティーでミステリアス。だけど絶対に知らないはずの死語を口走るなどちょっと変わっているところ。
某赤い人に刺激されたのかだんだん熱くなっていく心。
その全てにテツは惹かれていった。
スワンに抱く親と重ね合わせた感情でもなくウメコに抱く先輩なのになんだか妹みたいな感情でもない。
最初は綺麗なお姉さんに''あこがれ''る類いだと思っていたが、ふとした何気ないジャスミンからのアクションに過剰に反応してしまう自分にテツは「あぁ、ジャスミンさんに惚れてるんだな、俺。」とどこか客観的に見ていた。
しかし問題が1つ。自覚したはいいのだが、ほとんど脈がなかった。
周りの人達…特にホージーやセンちゃん、スワン、ドギー辺りはジャスミンに向けるテツの熱烈な視線に気づいていたのだが。
肝心の本人からはまったく気づかれていなかった。
ウメコやスワンとの雑談で聞いたことがある。
「テツはねぇ…可愛い弟って感じかな?」
それにウメコは賛同していたがテツは「ナンセンス…完全に男として見られてない」と落胆した。きっと本音だろう。
だが、せめて心の中で思うだけなら…。とテツはずっとこの気持ちを押し殺した。時には''あこがれ''と自分を誤魔化し理性を保ちながらも。
ずっとこのまま誰にも言わずにこの思いは消えていくんだろうな…とテツは思っていたのだが…。
