
こんな恋って、アリですか?
第3章 お宅拝見
「あ、あぁぁーーっ!!」
柊が子機を戻したと同時に達してしまった。
柊は何故かベッドから抜け出て、
慌てて服を着始める。
「ごめん。予定変更。キミは帰って」
「友達のとこに泊まってる予定だから帰れない」
「キミ、親と同居?」
「学生(と、言い慌てて付け加える)大学生、だから」
少しずつ受け答えがしどろもどろになっていく
綱吉に柊は不審感を抱き始め ――、
「ふ~ん……何年?」
「今、に ―― 2年、と3年の間」
「年は?」
「はたち」
「生まれ年」
「……19、78年」
「嘘つけ、言う前に考えただろ。本当は?」
「19」
「……」
「……じゅう、はち」
「……」
「……じゅう、なな?」
思わず柊は ”ククッ” と、笑ってしまう。
「何のカウントダウンだよ……」
そして遂に綱吉は、自分の本当の年を明かす。
「……じゅう、ご」
「!! シット」
(オレ、淫行の現行犯、確定……)
落ち込み、呆れる柊。
「ったく、最近の10代はどうなってんだ」
因みに、そう言う柊の筆下ろしは12の時だった。
「……とにかく、出るぞ」
「何かあったの?」
「赤ん坊が生まれる。オレのな」
「はぁっ??」
2人、服を着たあとは、
そのまま慌ただしく部屋から出て、
車で夜中の首都高を疾走。
途中、通称”白鬚(しらひげ)防災団地”
正式名称”都営白鬚東アパート”の
*号棟の前で、柊の親友・松浪を拾う ――。
柊を密かに思い続けている松浪としては、
綱吉の存在がとってもウザい!
だから迎えに来た車に綱吉を見つけて
『連れて来たのかよ!?』
と怒鳴ってしまうほどには、邪魔に思っている。
そうして3人は一路、
本来の目的地・葛飾赤十字産院へ。
