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第22章 つれづれ
#N
N「…んぅ、」
ぼんやりと覚醒していく意識の中
見慣れた天井が少し遠くに見える。
N「って・・・え?」
あれ?ここ自分の部屋?
体を起こしてみると確かに俺の部屋。
キョロキョロと周りを見渡すけど誰もいない。
N「しかもこれ潤くんの布団…?」
寝てる間に自力で戻ってきた?
いや、夢遊病かよ、しかも高熱で…?
あるわけないか…
なにこれ、こわ
その時、コンコン、と控えめなノックの後
間髪入れずに開いたドア。
A「あ、起きてた?」
N「あ、今起きたとこ…。」
なんでまーくんがここに?
けんちゃんかな?てか学校は?
時計をみるとちょうど昼休みの時間だ。
なるほど、だからか。…じゃないって。
まーくん、いつからここにいたのかな…
A「そっか。ねぇこれ買ってきたんだけど
食べれそう?無理ならゼリーとかもあるけど… 」
ガサゴソと手に持ったビニールを漁るまーくんは
昨日のことなんかなかったかのように
普通の顔してる…
N「あ、あのさ!」
A「んーーー?」
N「昨日は、変なこと言って…ごめんなさい。 」
ビニールを漁る手を一瞬ピタッと止め、
袋の中に目線を落としたままのまーくんに
ドキドキしながら返事を待った。
A 「うん。俺もごめんね?」
拍子抜けするほどアッサリとした返答と
俺の好きじゃない貼り付けたような笑顔。
N「・・・あとさ、センパイの部屋から
ここまで運んでくれたのもまーくん?」
A「あぁ、うん。健センパイがね、教えてくれた」
N「そっか…ごめんね?迷惑かけて。
・・・ありがとう。」
A「いーのいーの。
てかにのちゃん軽すぎだよー?
これからはもっとちゃんと食べなきゃねー」
N「あ…うん、気をつける・・・。」
A「はは・・・。 」
