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第22章 つれづれ
#A
三「なぁ、俺受験生なんだけど?」
A「…はぃ…?」
引退した健センパイが
珍しく朝練後の体育館に顔を出したと思ったら
いきなりお説教モード。
え?なに?なんで俺怒られてんの?
三「とりあえず一晩中泣いて喚いて
高熱出して今も俺の部屋で寝てるから。」
A「…へ? 」
なんの話?
三「にの!!俺の部屋にいるから!」
A「は…ぃ?
って…はぁあ!?
なんで健先輩の部屋にいんの!? 」
三「お前と松本が揃いも揃ってにののこと
締め出したからだろーが!」
横にいた潤が、え?俺も?て驚いた顔してる。
A「そういえば翔ちゃん帰ってこなかったじゃん…!」
ちょっと考えればわかることなのに。
すっかり頭に血が上ってて…。しかも泣いてた…?
三「…なぁ。にのなんかしたの?」
A「いや〜…」
なんかした?ってきかれると困るんだけど…
あれはケンカ?なのか?なんて説明すれば…
三「泣きながらずっと謝ってた。」
A「え・・・。」
三「ごめんなさい、ごめんなさいって、
何になのか誰になのかよくわかんねーけど。
ちっちゃい子供みたいにさ。
なんか俺、可愛そうになってきちゃってさ。」
A「・・・。」
三「お前に、謝ってたのか?あれ。」
A「…よくわかんないっす、俺も。」
健センパイは腑に落ちないって顔してるけど
ほんとによくわかんないんだもん。
泣いてた?謝ってた?
……なんで俺のいないとこで。
