
好きって言わない!
第30章 台風ジェネレーション。
M side
M「・・・あ!!」
A「ん?」
すっかり忘れてたけど・・・
箸を置いて、履いてきたデニムのポケットを探る。
学祭の日に見つけた、イルカのキーホルダー。
相葉に返そうと思いながら、風邪引いたりいきなり旅行が決まったりとバタバタしてて忘れていた。
M「相葉、これ。」
相葉の目の前に、キーホルダーを差し出す。
キラッと光る黄色い石が、イルカと一緒に揺れた。
A「それ・・・・・!!」
驚いて固まる相葉。
あれ・・・??
M「・・・お前のじゃないの?」
思っていた反応と違って、もしかして相葉のものだと思ったのは俺の勘違いだったんだろうかと焦った。
櫻井に一緒に探させたのに、間違いだったらキレられるかも・・・
チラリと櫻井を伺おうとした時だった。
N「それ俺のーーーーーっ!!」
M「え?ちょ、うわぁっ・・!!」
いきなり飛びついてきたニノに、バランスを崩して倒れ込む。
N「何で松本が持ってんの?!
どこにあったんだ?!」
イルカのキーホルダーをギュッと握りしめて、瞳を潤ませるニノ。
M「えっと・・・たまたま拾った。」
N「マジかよ・・・
もう見つからないと思ってたのに・・・
嬉しい、マジでありがとう♡」
にこっと笑って、手の中のキーホルダーを見つめるニノはビックリするくらい可愛かった。
あのぶっきらぼうなニノが、ここまで感情を表して喜ぶんだ。
本当に大事な物だったんだろう。
無事に返す事ができて良かった。
・・・いや、良かったんだけどさ。
N「まーくんっ♡見て♡」
A「にのちゃん、良かったね!!
松潤ありがとう!!」
N「ねぇ、見てってば!!
ほら、傷もついてないよ??良かったぁ♡」
ふと、床に放り出されてる相葉のスマホを確認する。
そこにはイルカのキーホルダーがしっかり付いていた。
・・・相葉のは緑の石だったのか。
・・・あのキーホルダーは相葉のではなくて、ニノのだった。
俺、相葉の言葉をしっかり覚えてるんだけど。
“好きな人とオソロイなんだ”
すげぇ嬉しそうに話すから、てっきり彼女とオソロイなんだと思った。
