
好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
A side
A「・・・・・。」
何してるんだろう。
全く俺に気付かずにガサガサと茂みを揺らしている。
まさか宝探し??
こういうイベントを殊更嫌うにのがあんな一生懸命探すなんてあり得ない。
草むしりでもしてるのか?
N「わっ、」
A「っ!!」
ついていた手を滑らせたにのが、ぺちゃっと地面に倒れこむ。
上半身だけ倒れたので、ますますお尻を突き出したエロエロポーズになった。
この天然エロっ子は・・・!!
A「にのちゃん!!」
俺じゃなかったら襲われてるぞ!!
N「・・・まーくん?!?!」
顔だけ振り返らないでくんないかな。
誘ってるの??
こんなお外で俺のじゃじゃ丸を誘ってるの?!
A「・・・何してんの?」
N「・・・・・。」
ペタンと座ったにのが、ションボリと俯く。
A「ああもう、手も膝も砂だらけじゃん。
頭も・・・、」
髪についた葉っぱを払おうとした時、にののうるうる上目遣いの瞳に捕まった。
N「まぁくん・・・、」
A「っ・・・、」
眉を下げて、今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめる。
どうすれば良いのかな。
抱きしめちゃっても良いんだろうか・・・
A「にの、」
そっと肩に触れると、にのが更に泣きそうになる。
N「まーくん何でココにいるの・・・。」
A「え?」
来ちゃダメだったの?
気まずそうに俯むかれて、やっぱり俺は嫌われてしまったんだろうかと焦った。
さっき俺から隠れるようにして翔ちゃんの隣に立っていたのを思い出す。
A「・・・にのってさ。」
ずっとずっと、ずーっと気になってた。
A「翔ちゃんの事が好きなの?」
N「・・・・・・・・・・は?」
キョトンとして首を傾げる。
何言ってんのコイツって顔。
A「・・・いや、だからその・・・
翔ちゃんの事好きなのなって・・・」
N「んな訳ないじゃん。」
キッパリ言い切るにのは、嘘をついてはなさそうだけど。
