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好きって言わない!

第27章 ラブストーリーは突然に。





A「ゴメン、俺何かした?」




N「別に。」




まーくんの腕を振り払おうとしたのに、さらにぐっと力をこめて腕を掴まれる。





N「離せ。」




A「・・・やだ。」




N「なんでだよ。」




A「離したくない。」




N「だからっ・・・」




そんな思わせぶりな事しないでくれよ。
シンドイよ。




A「にのちゃん、」




俺を引き寄せようとしたまーくんを、ドンと突き離す。
抱きしめられてたまるか。




もう嫌だ。
もうムリ。




N「・・・嫌い。」




A「・・・・・え?」




N「大っ嫌い!!」





泣き顔を見られたくはない。
これ以上情けなくなるのは嫌だ。




走って舞台裏から飛び出した時、足がすごく痛んだ。
靴擦れしてるのかも。




合わないヒールを履いてたから当然だ。
俺はお姫様なんかじゃない。




途中で靴が脱げてすっ転んだ。
転んで足を擦りむくなんて、小学生の時以来だ・・・




N「もう・・・やだぁ・・・」




足痛い・・・




N「ふ・・・ぅぅ、まぁくん・・・・」




心はもっと痛い・・・




逃げるようにして駆け込んだ委員会の会議室。
その隅っこで丸くなって泣いた。




賑やかな音楽と楽しそうな声が遠くで聞こえる。
まるで別世界のように感じた。





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