
好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
A side
隅っこで、イスにちょこんと座ってるにのちゃん。
ヒールを脱いで、退屈そうに足をプラプラさせている。
俺に気付くと、ぱぁっと顔が明るくなった。
N「まーくんっ!」
にこっと笑う顔が何だかいつもより・・・
N「ね、ぎゅーってして♡」
A「へ・・・?!」
俺に両手を広げて、抱っこをおねだり。
え?なに?!
N「まーくんってば!
ぎゅってしてくんないの??」
唇を尖らせて上目遣いのにのちゃんん。
なにこれ・・・
超可愛い!!
いつもより甘々!!
てかこんな甘えっ子なの見たことねぇ!!
A「可愛いーーーっ♡」
ぎゅうっと抱きしめて、よしよしと頭を撫でる。
キスしたいけど、さしがにここじゃ出来ないもんね。
にのちゃんが潤んだ瞳で俺を見つめる。
ああ、また勘違いしそうになっちゃうよ。
A「もう・・・にのちゃん、まだ演技中??
可愛すぎるよ・・・♡」
N「・・・・・え?」
A「告白、大成功だったね♡
みんな大盛り上がり!
ベストカップルは獲れなかったけど。笑」
N「・・・・・うん。」
A「にのちゃん?」
なんだろう。
一瞬でにのちゃんの心が離れていった気がする。
ぎゅっと抱きしめてるのに。
にのちゃんも俺の背中に手をまわしてるのに。
N「・・・盛り上がって良かったな。」
そう言って笑ったにのちゃんは、もう甘えた顔をしていなかった。
