
好きって言わない!
第26章 Painful love。
ねぇ、まーくん。
もしかしてって思っちゃうよ?
すっごく都合の良いように考えちゃうよ?
まーくんも、俺の事・・・
久しぶりの全力疾走で、息切れしながらガラッと勢い良く開けた1組のドア。
N「まーくんっ、」
A「・・・にのちゃん?!」
ハァ、ハァ、ハァ・・・
整わない呼吸を、なんとか落ち着かせようとするのに無理だった。
まーくんは1人じゃなかった。
今まで抱き合っていたんだろうかと思う程に近い距離でいる2人。
あ、と少し頬を染めた彼女が唇を押さえる。
・・・キス、してた??
「初めまして、だよね?
いつも良く話聞いてるから、そんな感じじゃないけど。笑」
N「・・・そうだね。」
心臓がバクバクと煩く騒ぐ。
やめてくれよ、全力疾走のあとだってのに、体に悪い。
N「ごめん、邪魔しちゃったね?」
A「にの!待って!」
ドアを閉めようとした俺の手を掴む。
慌てて俺んとこに来たもんだから、思いっきり机にぶつかってた。
N「・・・大丈夫?」
A「何が?!」
気付いてないの?
すっごいぶつかってたけど。
彼女もビックリしてるよ。
A「にの、もう終わったの?
一緒に帰ろう!」
N「え・・・いや、彼女といるんだろ?
駅まで送ってやんなよ。」
A「・・・・・」
後ろで、彼女がありがとうって目で俺を見てる。
ほら・・・
やっぱり一緒に帰りたいんじゃん。
委員会のある日だって、本当はまーくんと一緒に居たいんだろうに・・・
俺が、2人を邪魔してるんだよね。
ごめん・・・
心の中で小さく謝った。
でも、俺も好きなんだ・・・
ごめん。
