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Treasure of life

第11章 After the rain

俺は床に散らばった数枚の写真を拾い集めた。

「……潤」

俺の知らない間にこんなことが……。


信じられなかった。

と同時に、何も気づけなかったことに対して自分への怒りが込み上げる。


俺はスマホの画面をタップし、潤に電話をかけた。

7コール目で繋がった電話。

『…もしもし』

向こう側から聴こえる潤の声。

会えなくなって数ヶ月程だが、その声はやけに懐かしく感じた。

「潤、元気…?」

『……うん。……智くんは?』

「なんとか…やってるよ」

『…うん』

「聞いたよ、知念から」

『…え?』

「俺を守るために、別れたんだろ?」

『………』

「俺は、お前のこと…今でも好きだ。
潤が…俺にまだ気持ちがあるなら…、やり直したい」

『好きだよ!俺も智くんのこと大好きだよ!でも…、俺といるとまたあいつが……』

「大丈夫。俺は逃げないから。もし公にされても潤のこと守るから」

『…智…くん』

「潤…、会いたい。今、家にいるの?」

『うん』

「仕事終わったらすぐ向かうから」

『うん』

「また連絡する」

『…待ってる』

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