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Treasure of life

第11章 After the rain

家に帰っても、モヤモヤした感情は拭えなかった。

それどころか、気になって仕方がない気持ちがどんどん膨れ上がっていく。

部活中、先生に直接聞いてみようかとも思った。

「先生…、あのっ」
「なんだ、知念?」
「……やっぱり何でもないです」
「そうか?今度のコンクール、頑張れよ」
「…はいっ」

でも…そんな勇気、俺にはなかった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



数週間後―――。


俺は、兄さんから数枚の写真を受け取った。


「ありがとう。兄さん」


「このくらい朝飯前だよ。侑李の為なら…」


やはり俺の思った通り、大野先生とあの男は付き合っていた……。

あの空気感は、恋人同士特有のものだったんだ。



そう気づいたときから

俺の中で真っ黒いものが渦巻いた……。



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