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Treasure of life

第11章 After the rain

side O

―――数週間後。

今日のデートは美術館。

この間、潤が
「いつも俺が行きたいとこばっか行かせてもらってるから、たまには智くんが行きたいとこ行きたい」
と提案してくれた。

俺はちょっと考えて、そのとき一番に思い浮かんだ
「…美術館、とか?」
と口にした。

「うん!美術館行こっ!俺、行ったことないから行ってみたいっ」

「ほんとに俺の行きたいとこでいいの?」
と聞くと、潤は純粋に行きたいと言う。


というわけで。

「智くん、これ見て〜」

とある有名な作品の前で潤が手招きする。

そして、その名画にならってポーズを真似た。

「ムンクの叫び(笑)」
「知ってる?これ『ムンク』って人が描いた『叫び』なんだよ?」
「えー!?そうなの?」

潤は驚いて大きく瞳を見開いた。

「智くん物知りだね〜!さすが美術の先生っ」
「ある程度は知っとかないとね(笑)」


潤とは、それぞれの作品の見方であったり、感じ方が違って面白い。

俺が観る点とは違うところに興味を持ったり。

そんな新たな発見があって楽しかった。

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